県熱海市の「ホテルニューアカオ」
の窓ガラスが割れてけが人が出て
いると従業員から119番があった。
県やホテルなどによると、2階の
食堂にいた6～41歳の宿泊客男女
4人と男性従業員（20）の計5人
が軽傷を負った。
テレビでも放送されたので見た
方も多いはず。
昔々、年二回の社員旅行が当然
だった時代に、台風の高波でガ
ラスが木っ端微塵に粉砕された
ホテルニューアカオに宿泊した
事があります。
当時は団体旅行客メインだった
ので、しょうもないショーやら
バラエティやらのくだらない出
し物がメイン。
例えば、伊東の聚楽やハトヤは
ライバル関係で、マリリンモン
ローのそっくりさんショーやら
サンバカーニバルのお姉さん達
のショーなどで集客に血まなこ。
ニューアカオみたいに、断崖絶
壁に建つホテルは他にも数件あ
ります。
夜になると海が見えるわけでも
ないから、必要があるのかと、
思うけど、これも集客の一環。
さてと、ガラスの強度について
は製造装置開発でたずさわった
事があり、「透明度が高くて、
高強度ガラス」を探しまくった
事があります。
会社顧問でもある、某大学教授
の助言と海外各社が採用してい
るガラスが良いだろうという、
事になり捜索と選定を開始。
ガラスは割れるものだけど、
「割れないガラスが欲しい」
しかも、
「透明度が高くて屈折率が低い」
で探すと、最高級品は石英ガラ
スで水晶と石英の粉末を溶融し
作った物。
これって、ガラスじゃなくて、
宝石の類いなんじゃないかなぁ。
もともと、板ガラスの出始めは
高級品だったらしい。
熱膨張が小さくて透明度が高い
し、硬質なガラスだが、欲しい
サイズが1200角だと気泡が皆無
な物が難しい。
日本の某特殊ガラスを扱う会社に
問い合わせたら、手持ち在庫が、
畳サイズで厚さ５mmが３枚しか
無いし、次はいつ入荷するかも、
不明との事。
元々は防衛庁が発注した物だっ
たとか。
上司に相談して、見積りを取り、
全て購入。
歪みやら気泡が無い場所を切り取
り、1200角を３枚切り取り。
加工費用を含めて１枚50諭吉也。
このガラスは平滑度が高くて硬度
もあるけど、柔軟性には欠けて、
粘りが無く、コピーガラスとして
性能は抜群でしたが、ちょっとし
た衝撃で木っ端みじんに。
あっと言う間に、２枚が粉々^ ^
恐る恐る、上司に報告したが、
何故か、怒られなかった。
しかし、このままでは開発中の、
装置が開発、完成出来ない。
たぬきは、そこで考えた。こん
な高いガラスじゃ無くても良いん
じゃ無いかな？と。
コピー機のガラスで良いんじゃな
いかな？と。
色々、調べたら某有名ガラスメー
カーがコピー機用のガラスを作っ
ている事が判明。
早速、川崎市にある某ガラスメー
カーを訪問。
たぬき
「と言うわけで、1200角、厚さ
5mmのコピーガラスが３枚程
欲しいのですが？」
ガラス屋
「承知しました。お届けまでに、
１週間位、かかりますが宜しい
でしょうか？」
たぬき
「もちろんです。ところで、お
いくらでしょうか？」
ガラス屋
「窓ガラスにも使う青板ガラス
ですが、平滑度を上げた特殊
品ですので、送料込みで１枚
3800円になります」
50万円が3800円になった？
ガラスの取付け方もガラス屋に
教わりました。つまりは、窓ガ
ラスと同じ付け方をして、遊び
を作ってやる事がキモだと。
早速、届いたガラスを、装置に
装着してテストしたら、粘りが
あり、割れないし、透明度やら
屈折率は石英ガラスに劣るが、
結果は大差無く、実用に問題が
無い事が判明。
割れ残った石英ガラスはお蔵入
りとなり、以後はコピーガラス
を購入。
結果的に年間数100は購入する
事になりました。
前置きが長くなりましたが、
アカオの巨大な青板ガラスは、
枠にはハマっておらず、分厚い
ガラスごと鉄筋に嵌め込まれて
固定されていたようです。
これだけ巨大なガラスだと常温
でも数ミリはたわむはず。
そこに想定外の外力が掛かると
遊びが無いので逃げ場が無い。
保護シートやポリカーボネート
の保護材も無く、ロケーション
重視も災いして、満潮、高波、
強風が運悪く夕食時に重なり、
窓ガラスは木っ端みじんで怪我
人が出る始末。
避難誘導が迅速だったのが、
唯一の救い。
度重なる地震やら台風にも耐え
たガラスなのに、経年劣化と、
想定外の外力には耐えられない
事も判明しましたね。
さて、件の石英ガラスですが、
今では購入の経緯を知る者も、
少なくなり、倉庫の片隅で日の
目をみる事も無く厳重にパッキ
ングされたまま、保管されて
おります^ ^
さてと、つまらない仕事の話は
この辺でお終い。
明日から夏休み^ ^
まずは時間延長の本牧海釣り施設
からスタート^ ^
