ふれーゆ裏たぬきのトリック仕掛釣り日記

横浜港奥の『昼間は釣れないふれーゆ裏』での夕まずめ釣りをメインに1年中、アジ嬢を追いかけまわしております。

日々是好日^ ^上野&浅草寄席はしご^ ^浅草編(竿休め20220719)

上野駅から上野公園を散策して、上野寛永寺、弁財天、不忍池を廻り、上野広小路亭日本講談協会定席公演を観覧。

銀座線御徒町駅から田原町駅に移動。浅草演芸ホール夜の部入場は16:30、終演は20:45なので駅前の吉牛に入り、腹ごしらえ。

食事を終えてから、浅草演芸ホール前に到着。既に入場待ちの列が出来ていたので、最後尾に並んで入場。

中央から左側の前列から、4番目の席に座る事が出来ました。浅草演芸ホール落語芸術協会の定席。

日本講談協会落語芸術協会と提携。夜の部主任(とり)は、日本講談協会神田松鯉。講談師だけでなく、落語家、漫才師、大神楽、音曲師など出演者も盛りだくさん。

5日間、神田松鯉が主任を務める興行で、本日は4日目のラス前。上野広小路亭から移動して来た観客もちらほら。

上野広小路亭よりも広くて、二階席や売店もある老舗の寄席。1階239席、2階101席、計340席が、ほぼ満席。

浅草演芸ホール舞台上に額があり、落款が無いから、誰が書いた書がわかりませんが、「心酔(しんすい)」と書いてあります。

意味は「心から(芸)に酔う」なのかな?たぶん。浅草演芸ホールの方が若い観客が多いかな。

開演の幕があがり、前座 神田鯉花(神田松鯉の弟子)が登場。読み物は仇打ちの連続物の、「笹野名槍伝〜海賊退治」

滑舌が良くて、一生懸命に演じる姿が心地良い。先行きが楽しみな講談師。

海賊退治の部分だけ演じる講談ネタとしては有名。物語は仇を追い求める笹野権三郎が、九州に向かう乗り合い船に乗り込む。

この乗り合い船が海賊に襲撃を受けるが、同じ船に乗り合わせた武芸者、斎藤文藤太が立ち向かい、次々と海賊を斬りふせる。

しかし、多勢に無勢。そこに笹野権三郎が参戦して海賊を圧倒。見事、海賊の首領を討ち果たす!と言う、お話。

次は落語家の昔昔亭喜太郎。新作も古典落語もこなす噺家。まだ二ツ目だけど、客席を沸かせるし、話術も上手い。

次の出番は色物で、山上兄弟。小学生時代から手品をする可愛い兄弟と言う事でTVワイドショー番組で紹介されると引っ張りだこに。

そういえば、近頃は、見かけないなぁと思っていたら、落語芸術協会に登録したようで、寄席に出るようになってました。

現在は成人して、相変わらず仲が良い兄弟マジシャンのようです。まあ、それだけって言っちゃあ、それだけなんですが^ ^

次の出番は春風亭柳橋の弟子で二ツ目に昇進したばかりの、春風亭かけ橋。2012年に落語協会柳家三三に入門。2016年二ツ目昇進したのちに、なぜか三三から破門されてしまう。

2018年7月に落語芸術協会春風亭柳橋に弟子入り。但し弟子入り許可条件として、前座からやり直す事を守り、両協会で前座修業をした苦労人。

柳家三三とも和解していて、三三から柳橋にかけ橋を宜しくと頼まれたらしい。そして、命名が両協会の架け橋となる様、かけ橋に。

演じたネタは、馬大家?馬好き大家の借家を借りる為に、いかに自分は馬好きか!を、アピールしてとりいる噺。

次が昔昔桃之助。この人は元は漫才師志望で30歳になってから噺家を目指した人。現在は真打ち。

家紋が桃でバーミヤンと笑いを取っていました。延々と、枕を喋って、そのまんま、終了みたいな?感じでした。

桃之助の次が、たぬき親父世代なら誰でも知っている、コント山口くんと竹田くん。まだまだキレのあるコントは健在。

一時期はTVも出まくりで、一世風靡した漫才師コンビ。今も風貌は変わらず、ボケ突っ込みのキレも変わらず。

旅館の客と番頭ネタで、隣部屋の客が真夜中になっても大騒ぎ。たまらず、旅館の番頭にクレームを入れるが、のらりくらりとラチがあかない!と言うコントでした。

次は音曲師の桂こすみ。なぜ寄席に出ているのか?不思議なぐらいの経歴の持ち主。東京学芸大学教育学部音楽学科中学校課程卒業。

大学在学時、在学中にウィーン国立音楽大学に国費留学。ミュージカル専攻を特別賞を受賞して修了。

音楽科教員の後、NHK邦楽技能者育成会を経て、長唄を枡屋左之忠に師事。杵屋左之萌を、命名されています。

国立劇場寄席囃子研修生になり、その後、落語芸術協会のお囃子に従事。桂小文治から音曲師になる事を勧められて弟子入り。

2019年より、音曲師桂こすみとして、活動を開始した変わり種の人。三味線の長唄は、声は良く通るし、凄いの一言。

それだけでは無くて、作詞作曲も手掛けていて、今日は「冷蔵庫の唄」なるものを、ローレルの節にのせて熱唱。

観客からは、芸達者のギャップに戸惑いながらも、拍手喝采👏を浴びていました。

次は中入り前で神田伯山が登場。「独演会のチケットが取れない講談師」人気は相変わらずで、拍手の音が違う。

読み物は、「天保水滸伝 潮来の遊び」で任侠物で名高い天保水滸伝の一節。たぬき親父の父親や爺さんに達に絶大な人気を集めた、剣客の平手造酒が出て来る講談話。

江戸時代、江戸と地方を結ぶ重要な水運だった利根川。川沿いには銚子や佐原、東庄町の笹川などいくつかの港が栄えていました。

街が栄えると盛り場が出来て、利権が生まれて、これを支配しようとする博徒が群雄割拠するのは、今も昔も変わり無し。

主人公の笹川繁蔵と飯岡助五郎は、実在した博徒の親分で、現在の東庄町笹川と旭市飯岡、それぞれの地で子分を抱えて勢力を誇って抗争を繰り広げるお話。

天保水滸伝 潮来の遊び」は、銚子で質屋を営む留吉の倅の話。今はかたぎの留吉もかつては房総きっての大親分。

留吉には留次郎という倅がいるが、優男で生真面目。毎日、難しい本ばかり読んでいるような静かな男。

そこで留吉は、倅の留次郎を仲間うちの寄り合いに出す事に。その際、留次郎に30両を持たせ、遊女屋で女郎と遊んで来ないと勘当を言い渡す。

嫌々、寄り合いに顔を出す留次郎。同じ年頃で父親の代わりに寄り合いに来ている奴らは寄り合いそっちのけで遊女屋通い相談。

留次郎は、奴らに声掛け。事情を話して仲間に加えてもらう。寄り合いもそこそこに抜け出して、船で潮来の女郎屋に。

比奈鶴と言う花魁を当てがわれた留次郎。初めてのことで、留次郎はお酌を受ける際も手がガタガタ。

しかし、一夜が明けると、もう、比奈鶴に首ったけに。これを機会に留次郎は、本に見向きもしない道楽者に。

以後は3日と空けずに潮来通いを続けて、すっかり、比奈鶴と良い仲に。

父親の留吉は薬が効き過ぎたと嘆く。昨日も母親の手文庫から十両という金を持ち出して潮来に。

今日も、留次郎が金を取りに家に戻ってきた。留吉は勝手に親の金を持ちだした留次郎を叱る。

留次郎は、十両の金ならここにある。さらに三両があるが母親にこれで甘い物でも買ってもらおうと思う、と言い出す。

留吉には良い酒を買ってきたと言う。留吉はどうしてそんな金があるのかと聞くと、留次郎は比奈鶴がくれた金だと言う。

花魁が留次郎を呼ぶ為に出したカネらしい。比奈鶴も留次郎を客と思わず、夢中になっていた。その金の出所は他の客^ ^(昔も今も変わらず^ ^)

カモ🦆にされた客が、飯岡の助五郎の身内でもぐらの新助。風貌が冴えず、花魁の比奈鶴にはケムシのように嫌われている男。

しかし、この男はバクチが上手。カネを儲けては、比奈鶴花魁の元に通う。しかしこの日は留次郎が来ている。

比奈鶴はプロ。嫌な素振りも見せずに新助の相手をする。上機嫌の新助は財布ごと比奈鶴に与える。

比奈鶴は部屋を出、その代りに若い者やお茶っ引き女郎が現れ、飲めや歌えやの大盛り上がりになる。

新助は酒で潰れてしまう。真夜中、目が覚めた新助。水が飲みたくて人を呼ぶが誰も現れない。

仕方なく部屋を出た紳助が廊下を歩いていると、比奈鶴花魁の「そんなに水が飲みたければ、裏の利根川の水でも飲め」と馬鹿にする声が聞こえる。

怒った新助が部屋に飛び込むと、比奈鶴と留次郎が慌てて布団から逃げ出す。追い駆ける新助だが、酔っているので梯子段から落ちてしまう。

比奈鶴と留次郎は離れの座敷に逃げ込む。追いついた新助が座敷に駆け込むとそこにいたのは、親分の助五郎と敵対している笹川繁蔵の兄弟分の富五郎。

富五郎から一喝を喰らい逃げ出す新助。頭を下げて、富五郎に礼を言う比奈鶴と留次郎。

丁度、持ち時間が来たので、この続きは、またの機会にと言う事で読み終わり。切った張ったの「天保水滸伝」では息抜きのような読み物。

で、中入り(休憩)になると、時節柄、浅草演芸ホールの非常口などを全開。座席から外の道路の様子が丸見え。

この間に観客はトイレに殺到、又は館内の売店に殺到。菓子パンなどの軽食の他に、色んな落語グッズなども販売しています。

中入りが終わると、神田伯山の姉弟子、神田亜久鯉(あぐり)が登場。長くなって来たので飛ばすと、その後も、ねずっち、桂米福、柳亭楽助と出て来て盛りだくさん。

太神楽の丸一小助、小時が出て観客を沸かせた後に、トリの神田松鯉(しょうり)が登場。

ネタは上野広小路で聞いた「小幡小平次」でしたが、同じものを2回聞いても退屈しませんでした。

講談の「小幡小平次」は元ネタは歌舞伎の演目。歌舞伎演目は「彩入御伽艸」(いろえいりおとぎぞうし)

作者は「四谷怪談」で有名な歌舞伎劇作家の鶴屋南北。講談は更に伝奇小説「復讐奇談安積沼」を取り入れる。

更に初代市川団十郎刺殺事件を組み込んで「小幡小平次」を講談の読み物として完成させている。

一般大衆の興味を引く関心ごとを上手く取り入れて、練り上げた当時の講釈師は中々の文才があったんだな。やはり講談は奥深い。

拍手喝采👏で幕が降りて終了。時刻は20:45に。田原町駅まで歩いて銀座線に乗り、神田駅で東海道線に乗り換えて帰宅しました。

明日7/20(水)は、かみさんと日本橋で鰻を食べてから、再び、浅草演芸ホールに行く予定です。