ふれーゆ裏たぬきのトリック仕掛釣り日記

横浜港奥の『昼間は釣れないふれーゆ裏』での夕まずめ釣りをメインに1年中、アジ嬢を追いかけまわしております。

(竿休め終戦記念日)零式艦上戦闘機とは?20190818

文章化してたら、終戦記念日を、
過ぎてしまったし、16日は釣りに
行ってしまい、やっと19日にあげ
る事が出来ました。

たぬき親父の場合、子供の頃から
機械好きで、ラジオ自作から始ま
り、アンプや無線機製作。

当然、大学は工学部機械工学専攻
して、航空、発動機の講義は前席
で学び、教授には質問の嵐。

でもなぜか、就職は有名なヘッド
ライトメーカー。そこから何故か
関係無いシステムSEに。

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それでも、バイク、自動車、船舶、
航空機好き。乗るより構造が好き。

そんな訳で、見る視点が違います
ので、ご容赦ください。

また、戦争は嫌いです。なにしろ、
釣り針が親指に刺さっただけでも
涙目なので。

さてと、

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第二次世界大戦(日本では大東亜
戦争、太平洋戦争とも)当時の、
海軍主力戦闘機零戦

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靖国神社遊就館零式艦上戦闘機
52型(A6M5)です。今年春先
に撮影した画像です。

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支那事変から太平洋戦争開戦から
ミッドウェイ開戦あたりまでは、
無敵を誇った通称ゼロ戦も米国の
航空機開発スピード、工業力と、
生産量、搭乗員育成カリキュラム
には敵わず、改良に改良を加えた
ものの、第一線級とは言えなくな
った頃の機体です。

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あまり着目されていない切り口か
ら、たぬきなりに、疑問を感じた
零戦を見ていきたいと思います。

「日本の戦闘機は布張りの複葉機
「国産の戦闘機?なんかムリ」

当時の米軍認識は、こんな具合い
で、昭和18年前に中国戦線で初陣
を飾り、他の追従を許さない戦果
をあげても本気にしていない状況
だったようです。

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エンジンは中嶋飛行機(現在の、
SUBARU)で機体は三菱重工業
当時の技術を結集させた艦上機

そこで、たぬきの疑問。

1.エンジンオイルは何を使ってい
たのか?

調べたら、なんと米国製エンジン
オイルを採用。戦争前に爆買いし
て、日本国内に大量ストック。

使用済みオイルは捨てずに濾過し
て、訓練用に再利用したんだとか。

2.エンジンは、どうやって組み立てたか?

当時、日本には液状ガスケットが
ありませんでした。零戦の栄エン
ジン(陸軍名称はハ25で陸軍は、
エンジン=発動機だから、ハ。
ちなみに機体は、キ。)
星型空冷複列14気筒OHVで排気量
は、27.86ℓ。当然、燃料供給は、
キャブレター方式。出力980馬力。
2500rpm、遠心式スーパーチャー
ジャー一段1速式。

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その後、どんどん改良されて排気
量やらチューンナップされていき
ました。

クルマやバイク好きなら、この、
スペックを見て、「この時代に、
スーパーチャージャー!」と、
驚くかも?

クルマには出来ない3次元航行、
低高度、高高度でスクロール、
反転、宙返り、急降下、急上昇
をしても、安定して燃料供給す
るキャブレターを持ち、手動式
とは言え、混合気を極限まで薄
くして、驚異の低燃費を叩き出
しました。

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14本エンジンシリンダーと本体
は、焼き嵌めで接合。かなりの
工作精度が必要。これを量産し
たんだから、凄い。

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でも、更にパワーアップした、
エンジンが誉エンジン。

栄エンジンの倍の28本エンジン
シリンダー、倍の排気量、出力。

栄エンジン重量540kgに対して、
こちらは840kgに抑えた究極の、
エンジン。

いかんせん、製造整備が難しく、
さらに燃料劣化から諸元性能を、
出すのが難しい一面も。

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陸軍は誉エンジン搭載機に、四式
戦闘機疾風と命名、海軍は、水上
戦闘機強風を改良した紫電(のち
紫電改)に搭載。

完全整備された機体ならば、米軍
主力のグラマンF6F、P38にも、
負けなかったとか。

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ちなみに戦後、このエンジンを、
設計した、中川技師はプリンス、
日産自動車スカイライン2000
GTR、R386、383を開発設計に
貢献しています。

3.零戦の1機あたりの価格は?

はっきりした事がわからない様で
すが、大体、5~7万円位で他に
照準器、ビーコン、無線機、投下
装置など加えると、現在の金額で
3億円以上になるようです。

当時の大卒初任給が60円なので、
当時の3億円は物凄く高価な戦闘
機だった訳ですね。

日本全国から航空兵に志願した、
数多くの少年は、車や単車にすら
乗った事がなく、中には自転車す
ら乗った事が無かった子もいたで
しょう。

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航空兵になり、自由に青空を飛び
まわりたいと憧れて厳しい訓練と
試験を突破した航空兵は頭脳明晰
で強靭な体力を持ったエリート。

そりゃあ、当時はモテモテだった
んじゃないかな?

4.零戦の耐用期間は?

零戦の耐用飛行時間は、たっ
たの500時間。

有事には1年持たず、たとえ落と
されなくてもスクラップ。

南洋のラバウルでは航空機の消耗
が高く、耐用期間を過ぎた機体も
貫徹で整備。それでも、800時間
くらいで、機体の外板にはシワが
出来たり、フレームが歪んだりし
て、無理に飛ばせばエンジン不調
くらいならマシで最悪は空中分解。

余談ですが、たぬきが若かりし頃、
神奈川県相模原市の、キャタピラ
三菱に行った事があり、工場内を
見せて貰った事があります。

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そこには、当時の自衛隊新型戦車
である74式の製造ラインがありま
した。

たぬき
「この戦車の寿命は?」

技術屋さん
「たぬきさん、愚問ですよ。兵器は
寿命よりも有事の際に最大のパフ
フォーマンスを発揮出来るかです。
この戦車も出撃後、100mも走行
出来ず破壊されたら、それで終わ
りなんです」

たぬき
「なるほど。そう言うモンなんですね」

技術屋さん
「兵器に世間の常識は通用しません」

零戦の利点は徹底した軽量化によ
る卓越した運動性でした。機体の
フレームは極限まで肉抜きして、
座席もクッションすら無くて軽量
化の為、穴だらけ。

接続するボルトにすら、中心に、
穴空けして軽量化をはかる徹底し
た軽量化。

機体を覆う金属は住友金属が世界
に先駆けて精製した超々ジュラル
ミン。

同じ厚さの金属の5倍程度くらい
強度があるものの、いかんせん、
薄過ぎる。

エンジンのカウリング周りでも、
0.6mm、その他は0.3mm。

靖国零戦にも翼には「ノルナ」
の注意書きや、乗って良い場所
がペイントされています。

5.米軍の正式空母と日本の正式空母の
飛行機搭載数が違うのはなぜ?

日本航空母艦赤城の場合、
常用66機

全長は260.6m、総排水量は、
41,300トン

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赤城は戦艦から改造した空母で当初は
宇宙戦艦ヤマトガミラス空母の様な
三段式甲板。

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勿論、運用は大変なので改装して、
全通式甲板に。

米国航空母艦エンタープライズは、
(米国では空母ではなく、AIR Careyで
航空機運搬船

常用80~90機、最大98機

全長は252.19m、総排水量は、
32,060トン

米軍正式空母は日本海軍空母よりも
小さいのに、航空機搭載数が多い。

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米軍の空母は日本の機体搭載量の
約倍になります。これは海上航行
中も甲板上にズラリと機体を並べ
る事が出来たからです。

当時の日本は米国とタメを張る、
正規空母4隻、他にも空母3隻、
計7隻を大戦前に運用していた、
最強機動部隊を持つ、軍事国家。

じゃあ、日本も同じ事をすれば良
いじゃん?

と言う訳にはいきません。

なにしろ、零戦は徹底軽量化を、
はかった、量産自体が奇跡のよう
なチューンナップされた機体。

潮風に吹かれっぱなしで波を被っ
ていたら、たちまち錆びて故障、
飛べなくなります。

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零戦の好敵手だった米軍グラマン
F6Fは、ジュラルミン採用で機体
の外装厚は零戦の3倍以上。

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機体は塗装も厚くて、錆びにくい
し頑丈で翼もクルッと機体背面に
折り畳みが出来る。

零戦の華奢な機体では、重量がか
さむ折り畳み構造は出来ません。

この為、日本空母の倍近い搭載量
を米軍空母は持っていた事になり
ます。

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零戦主翼の翼端を少し畳める位
で、これは格納庫から甲板に上げ
るエレベーターのサイズに合わせ
たもののようです。

構想が無い訳じゃなくて、そこま
での折り畳み構造は航空機メーカ
ーに要求しなかった様です。

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でも、伊号潜水艦(海底航空母艦
に搭載予定の特殊攻撃機晴嵐には、
折り畳み構造を採用しています。

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でも、価格は零戦の約50倍の、
150億円で、とても量産は無理。

5.零戦には乗員保護の防弾設備が無い

これは、零戦のTV特集やら雑貨の
特集記事で良くある話。

実は、海軍よりドラマや漫画で、
人命軽視が唱えられる陸軍の方が
零戦と同じエンジンを積んだ一式
戦闘機隼には、米軍と同じく燃料
タンクをゴムで覆い、座席裏には
防弾板も装備。

翼内には機銃装備出来ない、桁下
一体構造だけど、主翼剛性に優れ
ていて、零戦よりも急降下と突っ
込み角度は格段に優れています。

当然の結果として、零戦よりも、
最高速度は遅いものの、翼端に、
250kg爆弾を左右1個づつ搭載
が出来る位、頑丈。

陸軍が採用してるのに、なぜ?

理由は明快で零戦艦上戦闘機
隼は陸上戦闘機。

零戦は空母から発進して攻撃後
に空母に帰還します。隼は陸上
の飛行場から発進して飛行場に
帰還します。

何となくわかったでしょう?

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零戦は主戦場は海上。隼は陸上。
零戦は相手からの攻撃で墜落す
ると、機体と乗員は海に。

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隼は陸上に不時着も可能です。
徒歩で味方前線まで戻る事も、
出来るかも知れません。

実際に墜落した同僚機近くに、
着陸して救助。後部座席後方に
乗せて帰還した事もあったそう
です。

つまり、零戦はひとたび空にで
ると、周囲は海。万が一、脱出を
しても、味方は助けてくれない。

ならば、落下傘も不要。零戦は、
攻撃は最大の防御。運動性を妨
げるものは徹底排除。

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座席もクッションすら無くて、
軽量化の為に穴だらけ。

雑音ばかりで、役には立たない
無線機をおろして、風防後ろの
アンテナを金ノコでぶったぎる
猛者もいたらしい。

6.同じエンジンを搭載した零戦と隼、
どちらが強い?

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米軍は当初、機体が似ている零戦と、
隼の区別がつかず、同じ機体と思っ
ていたようです。

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その後、零戦はゼロ又はジークと呼ば
れ、隼はゼロワン又はオスカーと呼ば
れた様です)

零戦は隼に比べてプロペラ口径が大き
く、胴体後部も丸くてスッキリした、
機体。

空力抵抗を重視して、前輪は完全に、
主翼内に収まり、更にタイヤが外部
にさらされないよう、開閉式蓋付き。

尾翼下部の後輪も引っ込み式。艦載
機なので、下部には着艦フック装備。

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隼はデビュー当時は、2枚プロペラで
照準器も零戦の様な投影式では無くて
照準眼鏡。

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零戦は反射投影式を採用。

主翼零戦よりも薄くて、前輪は収容
しても引っ込み切らずに一部は外に出
たまんま。後輪も引き込み式では無い。

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武装零戦が胴体内7.7mm機銃×2、
主翼内20mm機関砲×2、隼は胴体内
7.7mm機銃×2のみ。

海軍は20mmは機銃では無く機関砲と
呼び、陸軍は機銃。20mm機関砲は、
米国も英国も採用していません。

威力があるのは百も承知していました
が、装弾数は片側60発のドラム方式。

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実際は58発搭載。威力はあるものの、
弾頭が重く射程も短い。また弾薬を、
搭載した主翼を打たれ弾薬に直撃した
場合、爆発。

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弾数はその後改造されて、ドラム式か
ら給弾ベルト方式になり約倍の装弾数
になりましたが、連続発射では数秒で
装弾数を撃ち尽くします。

7.7mmは威力は小さいものの、装弾数
は片側450発。プロペラ回転数と連動
して、直線上に射撃するので命中精度
は抜群。直進安定性も良好。

いくら米軍機とは言え、戦闘機の外板
は2mm程度。コクピットやエンジン
部分に撃ち込まれたらひとたまりもな
いのは明白。

隼は2型から12.7mm機銃2丁になり
曳光弾、鉄鋼弾、焼夷鉄鋼弾(炸裂弾)
を混ぜて利用。20mm機関砲よりも、
装弾数が多く威力もさほど相違はなか
ったとか。

米軍機パイロットによると、零戦より
隼の方が嫌な相手だったようです。

隼は最高速度は零戦より遅いが低速か
らのダッシュ力、降下上昇速度には、
優れており、防弾装備を持ちタフな機
体だったようです。

小回りが利く初期の空戦フラップも、
装備していたようです。

更に、燃料タンクはゴムで覆い、
自動消火装置装備。座席裏には、
防弾板も。

実は、海軍よりドラマや漫画で、
人命軽視が唱えられる陸軍の方が
零戦と同じエンジンを積んだ一式
戦闘機隼には、米軍と同じく燃料
タンクをゴムで覆い、座席裏には
防弾板も装備。

翼内には機銃装備出来ない、桁下
一体構造だけど、主翼剛性に優れ
ていて、零戦よりも急降下と突っ
込み角度は格段に優れています。

当然の結果として、零戦よりも、
最高速度は遅いものの、翼端に、
250kg爆弾を左右1個づつ搭載
が出来る位、頑丈な機体でした。

6.貧乏国日本は、なぜ特攻作戦に?

高価な戦闘機とパイロット養成に
時間や金がかかるのに、なぜ、
特攻作戦を実行したのか?

6-1実は機体が余っていた

零戦は500時間を過ぎると、部品
取りか練習機用に廻されるか解体。

零戦や、艦攻、艦爆、など飛べな
い機体(十分な性能が発揮出来な
い機体で飛べない訳では無い)、
更に空母も次々と沈められてしま
い、運ぶ手段もない。

でも、戦局が圧迫されて来ると、
不調の機体を掻き集めて特攻機に。

特攻は戦局が悪くなり、搭乗員も
使い捨ての様に消耗、戦地に届く
機体は半数は製造不良でトラブル。

おまけに耐用期限が切れた機体が
ゴロゴロ。

航空機は量産性、搭乗員早期育成、
頑丈な機体、搬送する空母積載性
が物を言いう、徹底的な消耗戦。

国力に勝る国とでは勝負にはなら
ないし、墜落したパイロットを、
救助する手段も方法も皆無な日本。

マリアナ沖海戦で事実上、日本の
海軍は消滅。戦闘機を乗せる空母
も、ほぼ消滅。

空母に離着陸出来ない新米のパイ
ロットと破棄する機体で出来る事。

どうせ、出撃したら帰って来ない
ならばと。合掌。

6-2空中戦闘、空母発着には膨大な
訓練期間が必要

空中戦は身体にかかるGと戦いなが
ら、相手の隙をついて回り込む掛け
引きが必要。

機体を手足の様に動かし、更に帰り
の燃料計算、弾の残存数、帰投時、
航法計算などなど。

簡単には養成出来ません。空母から
発艦は出来ても、短い空母滑走路に
着陸は着陸と言う名の墜落なんだそ
うです。

現在の米軍機も離着陸訓練を頻繁に
実施するのは、訓練期間が空くと、
空母上に着陸が出来なくなるから。

レーダーも無線機も駄目な当時の、
日本。未熟なパイロットでも余っ
た飛行機に乗せる無茶苦茶な軍部。

終わりに
零戦の技術は戦後、新幹線、自動
車開発技術で花開きました。

無線通信部門でも、世界トップの
クラスに立つ現在の日本。

政治は二流でも民意や開発力、
経済力、何より勤勉な国民性は、
素晴らしいものです。

たぬきが若かりし頃、韓国出張を
繰り返し、金星、三星の技術屋と
居酒屋で飲み明かした事があり、

韓国人
「有事になったら、自分達も予備
役だからぜんせんに立ち戦いま
す。たぬきさんは?」

たぬき
「逃げます( ̄(工) ̄)」

韓国人
「他国が日本に侵略して来ても?」

たぬき
「逃げます( ̄(工) ̄)」

韓国人
「家族、親戚、友人が犠牲になっても?」

たぬき
「みんなで逃げます( ̄(工) ̄)。武器を
持ち殺されるのも殺すのも嫌です」

韓国は現在でも徴兵制があり、経済的に
発展の足枷になっています。

零戦は形を変えて、今でも日本の国産車
やバイク、新幹線に生きています。

最後に、
日本に来たアメリカ人の社員

アメリカ人の社員
「たぬきはアメ車?トランザム?なんで
Zやスープラじゃねぇの?」

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たぬき
「なんで?」

アメリカ人の社員
アメリカのスポーツカー好きは日本車
大好きだし、バイクもKawasakiや、
HONDA、スージー(スズキ)が好き」

たぬき
「そうなんだ」

アメリカ人の社員
ゼロ戦のエンジンは日本製だろ?
米軍機の半分の排気量で同等以上
の性能じゃん。俺、Zが欲しい。」

たぬき
「なら、富士重工だよ。ゼロ戦の、
エンジン作った会社だよ」

アメリカ人の社員
「マジ?」

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コイツの愛車はSUBARU B4になり
ました。

では、次回は有給が取れましたので、
16日(金)ふれーゆ裏釣行で~す。