ふれーゆ裏たぬきのトリック仕掛釣り日記

横浜港奥の『昼間は釣れないふれーゆ裏』での夕まずめ釣りをメインに1年中、アジ嬢を追いかけまわしております。

(竿休め)韓国出張時代の遠い記憶20190105

お隣の韓国と日本の関係が、
ギクシャクしている昨今。

政治的な観点やらナショナリ
ズムは頭の中から、すっぽり
抜けてる釣りバカのたぬき。

そんなたぬきですが、冬ソナ
が日本で爆発的な人気を獲得
する以前の1990年から、数年
に渡り韓国出張を命じられた
際の想い出話を致しましょう。

好きでも嫌いでも無く、まっ
たく興味が無かった韓国。

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せいぜい、首都ソウルを流れ
る川や仁川では何が釣れるの
かな?ぐらいしか興味無し。

しかし、新規事業計画の立ち
上げで、何故かメンバーに。

慌てて、本屋で「地球の歩き
方」を購入。通貨ウォンのレ
ートを確認すると、100円が
1000ウォン。

会社の自称韓国通に聴くと、
日本は自販機缶コーラ100円
時代で韓国は400ウォン程。

同僚
「たぬきよう、大卒初任給は
日本の半額だぜ。でも日本
からの日韓基本条約支払い
金5億ドルと巨額なODA
(政府開発援助)で、めちゃ
くちゃ景気が良いらしいぜ」

たぬき
「そうなんだ。家賃とか住宅
事情や預貯金は?」

同僚
「アパートに入るのに敷金や
礼金は関西並みに高いらし
いけど、30年住むと自分の
ものになるそうだ。利回り
も高くて5年満期は40%の
とこもあるそうだ」

たぬき
「凄いなぁ」

同僚
「日本に追いつけ追い越せで
鼻息も荒いそうだ。たぬき
は韓国勤務になるのかも?
知れないな」

居酒屋で奢り、書店や図書館
で情報も仕入れてから整理し
て、いざ出発。

最初は羽田から釜山経由で、
お偉いさん2名(常務と部長)
とソウル入りをする3泊4日
の海外出張。

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当時の羽田空港国際線ターミ
ナルは地方空港顔負けのロー
カルな雰囲気。今のモノとは
別物でした。
(2010年閉鎖、取壊し)

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上司の2人は空港免税店で、
ニッカ・ウィスキー「竹鶴」
と日本製タバコのマイルド
セブンを免税枠上限まで、
お土産用に買い込み。

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日本のウィスキー、ビール
タバコは韓国では大人気ら
しい。

羽田国際ターミナルから、
大韓航空機に乗り込み、
居眠り&機内食を食べてる
うちに釜山空港に到着。

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ちなみに、この頃のたぬき
は、きつね体系のきつね顔
で、made in Japanである
にもかかわらず、韓国人の
スッチーには韓国語で話か
けられる始末。

当時は、釜山空港の方が、
羽田より立派。

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現地の韓国人スタッフの
出迎えのクルマに乗り込み、
市内の支店に直行。

上司が支店長やら幹部やら
の会議に入っている間、
ヒマなので韓国製自動車を
見せてもらいました。

当時、課長で現在は総経理
代表取締役)の朴(日本
読みでボク、韓国読みパク)
に乗せてきて貰ったクルマ
現代自動車(韓国読みは
ヒュンダイ)の4ドアセダ
ンで車名「ソナタ

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当時の日本だとトヨタの、
コロナや日産ブルーバード
と同じ位置付け。

朴課長
「韓国でのステータスが、
ソウルで高層マンション
に住んで白い4ドアセダ
ンに乗り、美人の奥さん
と家庭を築く事なんです」

朴課長は顔がまん丸で、
当時は、きつね体型のたぬ
きよりもたぬき顔。
(今では兄弟のような?)

運転席に座り、エンジンを
かけると振動と息つき音。

フロントフードを開けて、
エンジンを見ると真っ赤な
シリンダーヘッドにDOHC
の文字。ウィンドウォッシ
ャー液はホンダのシビック
と同じバッグ式。

エンジンは三菱自動車から
技術供与を受けたシリウス
ツインカムにした物。

吸音材が無くて振動防止用
のゴム質が良くないし塗装
が荒い。(勿論、現在では
改善)

昔、日本で見かけたタクシ
ーで外観はクラウン。中身
は黒のレザーで安っぽ~い
内装。

これと同じ。ハンドルには
ダサいカバー。シートにも
カバーが。

あちこち細かい作りは雑で
新車なのに端からはサビも
出ているし、塗装も波打ち
してる。

当時の韓国は国内自動車を
保護する為、日本車輸入の
禁止措置が取られており、
街中で日本車は走っていな
い状況でした。

ホテルで何を食べたか記憶
に無い夕食を取り就寝。

翌朝はタクシーで釜山駅に
行き、釜山からソウル行き
急行の乗車券を購入。

発車まで約1時間程あるので
駅近くのビル地下の喫茶店
入りました。

1.妖しげな喫茶店

午前中だと言うのに、照明は
薄暗く、地下の喫茶店だから
窓も無い。

テーブルの上には、見慣れた
ネスレの粉コーヒービンがあ
り、砂糖とクリープ。

おばちゃんがお湯が入った、
ポットをテーブルにドン!
勝手に入れて飲め?かと思っ
たら、お姉さんが出て来て、
入れてくれる。

朴課長に聞くと、この給仕
の女性は喫茶店が雇ってい
るわけではなく100%歩合制
で勤務しているらしい。

店外デートとかも応じるそう
で、まだまだ当時は開発途上
国で出身地とかでの差別もあ
るしい。(現在はどうかな?)

2.ソウル行き特急セマウル号

韓国の高速鉄道に乗りたい!
と言う上席の為に李課長らは
自動車でソウルに。

こちらは釜山駅から韓国高速
鉄道セマウル号(韓国語で、
新しい村号)に乗り込みました。

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ちなみに、パンタグラフが無い
列車で電車ではなく、ディー
ゼルエンジンで走行。

最高速度140kmで客車と食堂
車をけん引して走ります。
現在は新幹線並みの最高速度の
300kmの電車となってます。

食堂車でビール飲みまくりの、
上席たち。あんまり飲める口
ではない、たぬきは窓から外を
眺めて気がついた事が。

3.韓国山間部はハゲ山だらけ

土が粘り気が無くて赤茶けて
痩せてる感じ。沖縄の土壌に
似てる。雨が振ると表層土が
流れてしまい、養分が少ない
んだとか。

季節は秋でしたが、紅葉樹が
少なくてハゲ山だらけ。昔の
木々をマキにしていた影響も
色濃く残り、日本と異なり、
木々の成長も著しく遅いんだ
とか。

4.ソウル駅

酔っ払った上席たちの荷物を
現地韓国人スタッフと一緒に
クルマに積み込み、市内の、
宮廷料理屋に。

ちなみに、当時のソウル駅は
日本統治時代に日本が設計、
建設した東京駅に良く似た、
重厚な建物。

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現在では隣接する場所に新駅
舎が建ち、記念館になってお
ります。

5.韓国宮廷料理屋の不思議

市内から少し路地を入った先
にある、韓国家屋の宮廷料理
屋に入り、リノリューム張り
の個室に。

この床は床暖房付き(韓国で
はオンドルと呼んでます)
で、床の座布団に座り、あた
りをキョロキョロ。

しばらくして、正面の襖を、
中居さんが勢いよく足で開け
て、大きなテーブル(座卓)
を4人がかりで部屋に運び込
んで設置。

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テーブルの上には、韓国宮廷
料理(韓定食とも言う)が、
ずらり。

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皿だしじゃなくて、配膳した
テーブルごと運んで来るスタ
イルに、まずはびっくり!

日本でチャングムが流行る、
ずっと前で、韓国料理=焼肉
位しか知らなかったから興味
ばかりが先行。

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手巻き寿司のような、ライス
ペーパー?が中央で周りを、
色とりどりの食材で囲んだ、
メイン料理を始めとして、焼
物はイシモチ焼魚(ゴマ油
風味がする。韓国でイシモチ
は人気のサカナ)、当然、
焼肉(プルコギ)やら韓国
海苔やら盛りだくさん。

テーブルを運んできた中居さ
ん達は帰らず、そのまんま、
席の間に入り込み給仕開始。

朴課長に聞くと、店の従業員
では無く、給仕をしてチップ
で生活している女性達なんだ
とか。

野菜やら何やらを包んだ奴を
ハシ渡しで上席に渡そうとす
るから大笑い。

いぶかしがる朴課長に、

たぬき
「日本では食べ物をハシ同士
で渡したりはしません。
唯一の例外は、火葬場での
お骨を拾い上げる時だけで
すよ」

朴課長
「そうなんですか?知らなか
ったなぁ」

たぬき
「あと、こちらは御飯が茶碗
じゃなくて金物の容れ物に
蓋つきで出て来るし、手で
持たずにテーブルに置いて
食べるでしょう」

朴課長
「そうですね。手で持つと熱い
ですし」

たぬき
「そこの女性は片膝立てて座っ
てるし、肘をついて食事をし
てるでしょう?あれは日本で
は行儀が悪いと言われます」

朴課長
「日本では正座ですね?こちら
は、チマチョゴリ(韓国の胸
元まであるスカート)着てて
足は見えなかったので、すぐ
に立てるように片膝立ててた
のが定着したみたいです」

たぬき
「そうなんですか。日本も昔の
武士の正座は直ぐに立てるよ
うに片膝立ちがあったみたい
ですが。」

朴課長
「文化の差なんでしょうね」

たぬき
「朴さんは日本語が上手ですね」

朴課長
「韓国大手企業は英語、日本語
が出来ないと管理職にはなれ
無いんですよ。ソウルには、
100m置きに日本語学校があり
ますよ」

たぬき
「それは大変。あと右手に握手
する時に左手や脇に手を添え
るのはどうしてですか」

朴課長
「韓国式の握手ですね?あれは
昔の服の袖がたっぷりしてい
たので、左手を添えて押さえ
たんですよ」

(朴課長は、こう説明していま
したが、あとで調べたら諸説
あるようです)

たぬき
「日本では、昔、サムライが、
相手に利き腕を差し出す事は
タブーで、それでも必要な時
は両手で相手の利き腕(手の
ひら)を押さえたんだそうです」

朴課長
「そうなんですか?たぬきさん
はサムライの家系?」

たぬき
「うだつが上がらない下っ端の
家系ですけどね^ ^」

食事会が終わり宿泊先のホテル
に戻り、上席の部長とバーラウ
ンジで軽く一杯。

部長
「たぬきよう、俺たちの子供の
頃には朝鮮人は3本毛が足り
ないとか、言われてたもんだ
けど、まさか、んな奴らと、
仕事をする事になるとはおも
わなかったよ」

たぬき
「そうでしたか。私は学生時代
に在日の同級生もいたしなん
とも感じ無いですけど。朴課
長とも仲良くなれたし。」

部長
「そうか。もう、たぬき達世代
の時代だな^ ^」

ソウルの夜は静かにふけていく
のでありました。翌日は仁川の
中華街、北朝鮮国境の非武装
帯の板門店見学と遊びに来た?
みたいな出張で、それから内陸
部を廻りました。

長くなりましたので次回、釣り
の合間に続きます。